モンゴルでは2000 年から数年間に亘り大寒波に見舞われ、遊牧民の半数以上が家畜をほぼ失った。生活の糧を失った遊牧民たちは、新たな仕事を求め首都ウランバートル近郊へ生活の拠点を移動させた。しかし新たな地では十分な収入を得る仕事には就けず貧困層へと陥った。その後も首都近郊への人口流入は続き、結果、学校施設が不足するという事態となった。
 不十分な教育環境のなか、次第に子供達の一部は落ちこぼれ、途中退学し犯罪に手を染めるなど社会問題となっていった。
 私はこの現状を憂い、米山留学生のカウンセラーとしてお世話になった井上雅晴さん(大阪東RC)に相談し、貧困地区の教育水準向上のため学校内に図書館を整備する図書館プロジェクトに取り組んだ。プロジェクト実施にあたり日本側は大阪東RC、RAC、モンゴル側はKhureeRC、RAC、モンゴル米山学友会の協力のもと、GG 補助金などの支援を受けて国境を超えたプロジェクトを展開。
 双方の熱意と実行力により2015 年5 月、第1 号として同地区の学校内に図書館をオープン、その後も予定通り3校の図書館を開館させた。結果、学習の場の確保、また居場所づくりなどの機能などが整備され、利用する子供達の成績が向上するなど、早くもプロジェクトの成果が現れてきている。
 2016-17 年度の2660 地区、RAC の海外研修をモンゴルで行い、日本文化の紹介をしていただき、日本に興味を持つ生徒が増えている。 日本語検定で優秀な成績の生徒もいて日本への留学を希望している。
 私もモンゴル米山学友会から優秀学友賞を受けた。今後の継続については、学校、KhureeRC、KhureeRAC、モンゴル米山学友会が役割を取り決めて継続して運営して行くこととなっている。この4校に留まらずさらに増やして行きたいと夢を持っている。モンゴルの子供達の為にがんばって行くので今後とも宜しくお願いします。