囲碁について
2025年06月17日 (火)
囲碁について~知的交流の伝統文化~
囲碁は、約四千年の歴史を持つ東洋の知的ゲームです。その起源には諸説ありますが、中国を中心にインドやチベットなどからも伝承があり、日本には奈良時代、吉備真備ら遣唐使によって伝わったとされています。
平安時代には宮廷文化の中で男女ともに囲碁を嗜み、紫式部や清少納言も打ち手であったことが記録に残されています。『源氏物語』にも囲碁の場面がたびたび登場し、その文化的価値は琴棋書画の一つとして現代まで受け継がれてきました。
戦国時代には各地の大名が専属の棋士を抱え、江戸期には「本因坊」などの四家制度が確立。明治時代以降は現代のタイトル戦に移行し、今では世界70カ国以上に囲碁センターが設置されるまでに国際化が進んでいます。
囲碁の効用
囲碁は「右脳を鍛える頭脳スポーツ」とも言われ、知育・徳育・認知防止に大きな効果があるとされています。
- 集中力:一局に没頭することで自然と集中力が高まります
- 応用力:先読みや臨機応変な判断が求められ、応用力が身につきます
- 発想力:無限の変化がある囲碁盤で、右脳が活性化されます
- 多様性と交流:年齢・性別・国籍を問わず誰とでも楽しめ、国際交流の場にも
- 振り返り(感想戦):終局後の反省会で思考の整理や成長が促されます
- 人格形成:勝敗を超えた礼節や謙虚さを育てます
ノーベル賞受賞の山中伸弥氏は右脳を活性化させるために毎朝詰碁を解くことを日課とし、iPS細胞の発見時には、「私は囲碁を打っているスティーヴ・ジョブズが発明したiPhoneからヒントを得て命名した。」と語っておられます。
世界とつながる囲碁
ヨーロッパでは2014年にプロ棋士制度が整備され、囲碁は今や世界中の文化的架け橋となっています。マイケル・レドモンド九段(日本棋院・米国)をはじめ、海外の囲碁ファンも増加中です。東京大学をはじめ、現在では日本の37大学で囲碁の授業が実施されており、次世代の教育にも注目が集まっています。
- 海外の子どもを招いた囲碁大会風景
- 大学での囲碁授業風景
皆さまもこの機会に、囲碁の奥深さと人と人をつなぐ力に触れてみませんか?
交流を通じて、新たな気づきと友情がきっと芽生えるはずです。