Rotary国際ロータリー第2660地区 Rotary International District2660

友愛の広場(2019-2020年度)

レポート② 大塚柊香~コロナ発生から今日まで(地区青少年交換委員会)

2020年04月27日 (月)

派遣生名:大塚柊香(スポンサークラブ:大阪北梅田RC)
派遣国:フランス(第1510地区 ニオール)

 コロナウィルス発生から今日まで、私がフランスで体験したこと・感じたことを記します。

 今現在のフランスでは、感染者数が約15万2千人、死者数が約1万5千人と両者共に世界で4番目という数字が出ています。
事の始まりは、昨年2019年末中国の武漢で発見されましたが、その頃フランスではニュースでもあまり見かけませんでした。

 こちらでコロナウィルスが大きな話題になり始めたのは、2月の中旬、丁度日本でも感染が広まり始めた頃です。その当時はまだ中国や日本の方が感染者数が多く、学校の社会の授業などではコロナウィルスについてクラスの皆で意見交換をするというような時間が設けられ始めましたが、それはあくまでも中国や日本などの「アジアにおけるコロナウィルスの感染拡大」であって、今自分たちが直面している事というよりは対岸の火事を見ていると言った印象を受けました。しかし、フランス人の生徒達は自分の意見をしっかり持っていて、自信を持って発言している姿に感心させられました。日本人の私は、家族はどのように過ごしているかなど、先生に話をふられることもありました。

 ニュースなどではアジア系の人がコロナウィルスが原因で、菌のように扱われたり、暴行を受けたり、差別の対象になっているという記事を見かけたので、通学のバスや、学校などでは、居心地が悪いと感じる事もありましたし、自分もこの様な目に遭ったらどうしようと不安になる事もありました。しかし、学校では先生方やクラスメイトも心配してくれることが多く、今日まで一度も差別的な扱いをされなかったのは、本当に有難く思います。

 フランスには約2ヶ月に1回、2週間ほどのバカンスがあります。地域によって多少、開始日と終了日に差はありますが、私の地区では2月22日から3月8日でした。この時期のヨーロッパはスキーシーズン真っ只中。バカンスには海外旅行に出かける人が多く、このバカンスが、ヨーロッパの状況を一転させ、コロナウィルス感染拡大を急速化させたと思います。

 このバカンス中に、私の地区では帰国する子が出てきましたが、それほど多くはなく、緊迫した感じはありませんでした。地区のロータリーの方から、「インフルエンザとそれほど変わりはなく、あなた達は若くて健康なので心配しなくていい。焦る必要はない。」というメッセージを受け取ったのが、バカンス最終日の3月8日。

 次の日、学校へ行くと携帯用の消毒液を持ち歩いている生徒を見かけたり、ニュースでもヨーロッパでコロナウィルスの感染が拡がっていると連日報道され続けました。私が1番驚いたのは、フランス人が、ビズという、頬同士を合わせるキスのようなフランス特有の挨拶を一切しなくなったことです。普段からハグやビズなど、ボディータッチが多いフランス国民がそれを遠ざけるようになっていました。

 その週の土曜日からは休校が始まり、ほぼ同時に外出禁止令が発令されました。その当初は、4月の中旬に学校再開のはずでしたが、それが延長され今のところ5月11日に再開と予定されていますが、まだまだ延長される可能性が高いです。

 さらに、毎年6月の中旬にあるバカロレア(日本でいうセンター試験のようなもの)においては、今年の高校3年生は既に廃止が決まっているそうです。このバカロレアのためにコツコツ勉強を頑張ってきた人々への影響はとても大きいと思います。

 外出禁止令が発令されると同時に、ロータリーのJRJというフランスに派遣されている世界中の交換留学生が集まり、親交を深めるはずだったイベントが中止になり、つい先日には本当に何よりも楽しみにしていたユーロツアーのキャンセルが知らされました。各国が国境を閉鎖し、コロナウィルスがいつ収束するかも見通しが立たない今、ユーロツアーの実施は厳しいだろうなと、薄々感じている自分と、感染者増加の勢いが少し落ち着きだしていたので、予定どうりではなくても実施されるかもしれない、という淡い期待を抱いている自分が混在していました。

 いざ、それが現実になり、また、本当に親しくしていた留学生仲間が次々と帰国してしまった今、多少の覚悟はできていたつもりですが、私は大きな絶望感や虚無感を感じています。

 フランスの外出禁止令は、日本の自粛要請よりも遥かに厳格で、友達に会うことすら許されない今日、ホストファミリーとカードゲームをしたり、映画を見たり、最近では暖かくなったのでプールに入ったり、のびのびと生活をさせてもらっています。いつ終わるかわからない「おうち時間」に少しでも成長できるように努力はしていますが、最近ではこのままフランスにいても、学校もなく、どこにも行けず、ダラダラしてしまうし、日本の友達の多くは受験勉強を本格的に始めており、自分自身の勉強の遅れに不安を感じる事も多く、果たしてこのまま、ここに居続けることが最良の選択か、疑問に思う事がしばしばあります。

 この外出禁止期間が始まってから、あれほどマスクをしないフランス人がマスクをしていたり、ちゃんと家で過ごしたりしているのを見ると、事の重大さがよくわかりますし、自分の身は自分で守る、という意思が伝わってきます。

 法律で強制されているフランスとそうでない日本を比べるのは、少し違う気がしますが、この時分にピクニックやお花見をしているのを、SNSに載せている友達を見ると、このままの状態で日本は大丈夫か、と不安になることがあります。対して、この強制力がない中、政府の要請だけで、東京や大阪などの大都会からあれほど人気がなくなっているのは、凄いことだと思います。

 フランスの住宅密集地では、ベランダで楽器を演奏する人が居たり、皆んなで病院の方向に向かって拍手を送ったり、この大変な期間でもユーモアや遊び心を忘れないフランスの人々を素晴らしいと思います。

 フランスでも、日本でもまだまだこの異常事態は続きそうですが、今自分の出来ることを見つけて、フランスにいる間にフランス語はもちろん、文化や考え方の違いなど吸収できる事は1つ残らず吸収したいと思います。